外資系戦略コンサルタントの育休日記

第一子誕生に伴い半年間の育休を取得した新米パパの奮闘記

仕事と家庭を両立できる「器用な人」ってどんな人?

先週くらいに、今後の人生やキャリアについて妻と腹を割って話をした。

いま現在妻はフルタイムで働いているものの、育休が明けベビーを保育園に入れながらまたフルタイムで同じ仕事に復帰できるのか考えると「ちょっと厳しいかもしれない」と言う。もちろん僕自身としては保育園の送り迎えや家事全般も分担してやるつもりだが、それでもやっぱり不安らしい。

「やってみなきゃわからない」というのは、その通り。でも、なぜこれほどまでに腰が引けるのか。その理由を聞くと妻が繰り返し言っていたのが「私は器用じゃないから…」というフレーズ。

これ、おそらくうちの妻に限った話じゃなく、仕事と育児の両立に限った話でもなく、もしかしたら仕事とプライベート(恋愛とか)の両立においても、「わたしは器用じゃないから」と言って半ば諦めてしまう人が、僕のまわりを見まわしただけでも結構いる気がした。

器用ってなんだろう

正直に言えば、僕自身は周囲から「器用だね」と言われてきたほうだ。中学・高校時代、勉強と部活の両立も(体力的には相当きつかったが)なんとかできていた。就職活動も希望していた会社(のうちの一つ)に入ることができ、ここでも同級生や親戚から「器用だね」と言われた。

当然その裏側では、自分の中でいろいろな葛藤があったし、目標に届かなかった経験も多々あった。が、それらも周囲のひとたちから見れば「一般的に見れば十分満足な結果」「失敗したけど価値のあるチャレンジ」に見えていたんだと思う。

そうか、器用って、"苦労をあまり表を見せずに周囲の一般的な期待値を超える"ってことなのか?
いや、たぶん、もう少し複雑な気がする。

 

器用な人は妥協がうまい?

僕自身を含め「器用だね」と言われる人の多くは、良くいえば目標設定がうまい、悪く言えば妥協するのがうまい。

全科目100点満点が取れればそりゃベストなんだろうけど、自分にはその力が無い(頑張っても届かない)ということをいち早く察知して、覚悟を決める。その上でまわりの期待値や状況まで考慮に入れ、「この科目なら50点くらいでも大丈夫」という風にピンポイントでハードルを下げる。

器用な人は、「本当は全科目100点満点がベストでも、それが合格点じゃない」という事実をよく知っているし、「力の入れ所を見誤れば、合格点すら危うくなる」こともよく知っている。時間も体力も限りがあって、その中で冷静に考えると、今回は落とし処をこの辺にしておいたほうがいいよなぁ、という具合に。ある意味では"コンサバ"に、ある意味では"肩ひじを張らずに"、考えているのだ。

 

妻にも自分自身にも、家庭では「妥協できる存在」でありたい

仕事と家庭の両立において両方100点満点を取ることは、きっとものすごく難しい。
なのに現実には、親世代(専業主婦全盛時代)の価値観・実体験などに引きずられて、ついついそれを目指してしまう。うちの妻の場合も、「家事は完璧に」「でもフルタイムで働いて社会につながっていたい」という、結局妥協できず両方満点を目指す、その意識自体が「器用ではない」の正体なんじゃないか。

とはいえ正直、妻が仕事でどれくらい妥協ができるかは、僕自身が妻の仕事の詳細までを理解しきっているわけではないのでまぁ何とも言えない。ときには泥臭さが必要なことも、泥臭さの中から素晴らしいものが生まれることも理解している。でも、だからこそ、家庭ではもう少しだけ妥協上手になってほしいと思う。(妻的には「私は家庭を100点、仕事を70点にしたいの!」と言うのかもしれないが。。苦しみながら必死に掴む家庭の100点って、個人的にはやっぱり寂しい気がするので。)

家族3人、肩ひじ張らずに、なんでもかんでも効率化というわけではないけれど、日々便利になっていく時代の恩恵をうまく享受して、ゆるーく豊かに生きたい。
そしてたぶん、その"妥協が許される空気感"を家の中で作るのが、僕の役割。頑張ろう。