言葉は夢のタネ
ここ最近にしては珍しく数時間で一気に読み切れた本。テンポよく読み手を飽きさせない語り口は、改めてさすが作詞家だなぁと。
- 作者: NHK「仕事学のすすめ」制作班
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2011/05/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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秋元康さんは、タイプ的に僕自身とは対極のタイプだと思う。なので本書に書かれている彼の「仕事学」も、ハッとさせられるものが多かった。
以下、特に印象に残った箇所をメモ。
感動できる人は仕事ができる
⇒自分はどちらかと言うと冷めた目で物事を見てしまいがち。アンテナを張り巡らせて、些細なことでも感動できたら、毎日がきっと彩り豊かになるはず。
魅力的な人の多くは、「初めて」をつくるのが上手
⇒好奇心旺盛なところは、年を取っても忘れないようにしたい
記憶に残る幕の内弁当はない
⇒「あれもこれもじゃ、何も言ってないとの同じだよ」ってよく言われるし自分も言うけど、それを幕の内弁当にたとえているのが言い得て妙。
人脈というのは、気づくと後ろにできているもの
⇒まさに。作ろうと思って作った"人脈"に限って、あまり続かないし役に立たない。それよりも目の前の縁を大切にすること。
よく、目の前に壁が立ちふさがったときは、頑張って乗り越えろと言いますね。けれど、壁というのは、乗り越えられないから壁なんです。ですから、僕はそういうときには、右か左にさっと動くんです。動くと、切れ目のない壁はないので、いつか必ずどこかで切れている。
⇒僕自身もいわゆるコンサル病で、壁が目の前にあると自分を奮い立たせて「高ければ高い壁のほうが上ったとき…」という発想に立ってしまう。秋元氏のように「迷わず横に動く」というのはちょっと盲点だった。
人生は一筆書きのようなもの
⇒作詞家らしい表現
言葉は夢のタネ
⇒いわゆる「言霊」の大切さは、昨年僕自身も本当に強く感じたこと。「言霊」よりも「夢のタネ」っていう言い回しが、柔らかくて好きだ。
目の前にないものをつくりたい
「目の前にあるものはすべて過去のもの」という秋元氏の言葉は、常に新しいものを世に出し続けているからこそ、本当に納得感があった。
例えばいま、ヒマワリがすごく高い値段で取引されているとしたら、みんながそのタネを植えようと思うから、1年後にはヒマワリだらけになりますよね。(中略)僕はヒマワリが全盛のときに、タンポポを植えている感じに近いですね。
僕もいつか戦略コンサルを卒業するときが来たら、次は企画系の仕事をやってみたい。コンサルにも新規事業の案件があるにはあるが、もっと自分事として、分析ベースよりも日常の感動や直感に突き動かされるような形で、「目の前にないもの」をつくれたらいいなと思う。
次のキャリアステップでは、いま目の前にないものを作りたい。
こうしてここに書き綴っておくことで、いつか現実になると信じて。"言葉は夢のタネ"、だから。